低レベルなプログラミング | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

「低レベルなプログラミング」と聞いて、どういうものをイメージするだろうか。プログラマとそうでない人では、答えが違ってくるのではないだろうか。


一般の人には、「誰でもできそうな簡単なプログラミング」、あるいは「質の悪いプログラミング」といった意味にとられるかもしれない。


しかし、プログラミングについての文脈で「低レベル」といわれる場合は、通常は「ハードウェアに近い」という意味である。つまり、「低レベルなプログラミング」とは、「ハードウェアが理解する言葉」に近い(たとえばアセンブラのような)言語を使ったプログラミングだとか、直接ハードウェアに命令を送って制御するようなプログラミングのことである。


このハードウェアとの「近さ」は測定できる類のものではないが、プログラマ(あるいはその周辺の業界人)は、なんとなく了解していると思う。このブログの「スキルアップのためにラップを剥がしてみる 」というエントリで「層」と表現したものにも近いだろう。



もともと「レベル」という言葉は「何らかの基準」を意味しているだけである。それが何の基準であるか、ということは文脈によって変わるので、別段ここでの使われ方が特殊であるというわけではないだろう。


しかし、何の説明もなく「低レベル」という言葉を使うと、上記のような了解のない人には、「品質が低い」、「スキルが低い」といった侮蔑的な意味に誤解される可能性があるので、気をつけたい。


また、初心者プログラマの中には、そのような誤解をしてしまう人も多いかもしれない。あるいは「低レベル・プログラミング」と聞いて、「簡単そう」と思ってしまう人もいるかもしれない。しかし、低レベルなプログラミングほど難易度は高レベルだったりもするので、注意が必要である。







■関連記事
普通の言葉
「¥」について普通の感覚で考えてみる
スキルアップのためにラップを剥がしてみる
簡単フレームワーク・プログラミングの罠




CPUの創りかた
CPUの創りかた
posted with amazlet at 09.05.05
渡波 郁
毎日コミュニケーションズ
売り上げランキング: 1745
おすすめ度の平均: 4.5
5 基本的な電子回路でCPUができる
5 趣味の本だよねぇ
5 読んでもすぐには理解できませんが、他のCPU本はもっと理解できません
5 ノイマン型コンピュータを自作する・・・名著かも
4 CPUの超基本構造

真・コンピュータ用語辞典 (ホームページブックス)
tell‐a‐lie
キルタイムコミュニケーション
売り上げランキング: 377785